さらだふれんず [1話]

ここはだれもしらないふしぎな島 
さらだらんど。
ここにはわたしたちが見たこともない
 ヘンテコで カワイイいきものが 
たくさん すんでいます。
おや、あそこのビーチにだれかいるみたい。ちょっとのぞいてみましょう。 

『はぁ…』

あのこは大きなひとつ目がキュートな 
ヤシの木の“テバヤシ”くん。
ココナッツのかわりに てばさきの実がなる
 ヘンテコなおとこのこです。
でも、大きなためいきをついて 
どうしたんだろう…?

『きょうもぼくはひとりぼっちなんだよ…
 ひとりであそんでてもつまらないんだよ…』

どうやらテバヤシくんは
ひとりでさみしいみたい…

『ぼく、ずっと
              このままひとりなのかなぁ…』

「そんなことないぞ。」

『…! どこからかこえがするんだよ!』

「上ぞ。」

あっ!
くもの上にカエルのかぶりものをかぶった
青いおとこのこがいる!

「わたしはケロシュナ、かみさまぞ。」

『かみさま?』

「そう、かみさまぞ。
        ケロシュナさまとよぶといいぞ」

『ぼくはテバヤシだよ!』

「よろしくだぞ、テバヤシ。」

『あのね、ケロシュナさま。
            ぼくおねがいがあるんだよ』

「なんぞ?」

『ぼく、いままでずっとひとりぼっちで…
だから、ぼくとおともだちになってほしいんだよ!』

「もちろんだぞ、このしまにすんでる
           なかまたちは みーーーーんな 
                            "さらだふれんず"だぞ!」

『わーーい!…あれ?このしまには 
        ほかにもおともだちがすんでるの??』

「そうだぞ、あの丘にも あの山にも
うちゅうにだって、まだまだテバヤシの
しらないふれんずがいるぞ。
テバヤシはひとりなんかじゃないぞ。」

『そうだったんだ…ぼく、そのふれんずたちとも会いたいんだよ!』

「それならぼうけんするんだぞ!
このビーチをでて しまをたびして 
たくさんのふれんずと出会うんだぞ!」

『ぼうけん…!ぼく行ってくるんだよ、
“さらだふれんず”たちにであう たび に!』

こうしてテバヤシくんは 
ぼうけんのたびに出ることにしました。
まだみぬ さらだふれんず をさがすために…


文 : テバヤシ
絵 : 皿田なななっ

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